三田通り法律事務所

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Column コラム

2019.04.06 遺産分割を協議している間にその相続人の1人が亡くなった場合の問題について

例えば、父母と子供2人がいる家族のうち、先に父が亡くなったケースで、残された相続人が遺産分割協議をしてたところ、母も亡くなってしまった場合、父の分とは別に、後から亡くなった母の遺産分割協議はする必要はないのかが問題となるケースがあります。

結論から申しますと、後から亡くなった母にも固有財産がある場合や、固有財産が無くても共同相続人の中に母から特別受益を受けた者がいるようなケースでは、母の遺産分割手続が必要となるということになります。

それは、母に固有財産がある場合は、当然これについていかなる割合で相続するのか決める必要がありますし、母に固有の財産がなくとも母は、先に亡くなった父の遺産について相続分に応じた共有持分権を取得しており、これは母の遺産を構成するものですから、母から子の1人が特別受益を受けているような場合、母の遺産分割手続を経ることで母の各相続人への帰属分を確定させる必要があるためです。

なお、このケースで、もしも母の遺産分割協議が調わず、子の1人が母の遺産分割調停を申し立てる場合、母の遺産の遺産目録には、「被相続人○○(本件では父の氏名)の遺産にかかる○○(本件では母の氏名の相続分の2分の1」などと記載します。

相続は、基本的には家庭の問題ではありますが、相続関係が錯綜するケースやその可能性があるケースでは、理論的にも難解なものが含まれるケースもあります。こういった場合、予め実際の相続分がどうなるのかを確認しておくことで、的確な相続対策を立てられることもあります。当事務所では、相続開始前の段階であってもご相談に応じておりますので、ご不明な点がありましたら遠慮なくご相談ください。

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